最近、千葉県って水害多すぎると思いません?ここ1~2か月だけでも、大雨のたびに洪水が起きて、住宅が浸水したり道路が冠水したり…。
Xを見てると、「千葉県はもうダメです」「人が住む場所じゃない」なんて、ちょっとドキッとする投稿を見かけるほど。もちろん全国でも水害は起きてますが、さすがに最近の千葉…多すぎだろ。
実際、私も2026年9月の台風25号で冠水した佐倉の街を見に行き、堤防が決壊してしまった北印旛沼にもこれまで何度も足を運んできました。
なぜ千葉県はこんなに洪水が起きるようになっちゃったのか。今回は、その理由を考えてみようと思います。
最近の千葉県は雨の降り方が狂ってる

まず気になるのは、「最近、千葉県だけ雨が増えたの?」ってことでしょう。でも当然ですが、雨は県境を見て降るわけじゃないし、台風が来れば関東の広い範囲で大雨になります。
千葉県は半島なので、「海に近いから雨が降るんじゃね?」と思いがちですが…、そういうわけでもなさそうです。
そこで注目したいのが、「雨の降り方」。近年は、一気にドカーン!と降る「極端な雨」が増えてます。その理由の一つが…気温の上昇。
空気は暖かくなるほど多くの水蒸気を含めるようになるので、条件が揃えば短時間に強い雨が降りやすくなるわけです。

つまり「大雨が増えた!」「しかも千葉県だけ!」というより、全体的に「一度に処理しなきゃいけない水の量が増えた」と考えるべきでしょう。
そうなってくると、大変なのが川や沼…、そして排水機場などの治水施設。昔からある川や治水施設に、これまで以上の負荷がかかってしまう。
また「線状降水帯…」なんて話もよく聞きますが、それだけで最近の水害多発を説明できるのか、どうも引っかかります。そこで次の章からは、「千葉県の地形」そのものを見ていこうと思います。
千葉県は「水の新陳代謝」が悪いと思う

千葉県を歩いて感じるのが、「この県、排水が苦手なんじゃね?」ってこと。高い山が少ないので、高低差で水を流しにくい。
2方向を東京湾と太平洋、残りの2方向を利根川と江戸川に囲まれた千葉県は、まさに「チーバくんクッキー」みたいな地形。
そもそも、県境を流れる利根川・江戸川を除けば、県を跨ぐ大河川もありません。養老川、小櫃川といったローカル河川は、県内完結の地元ヤンキー。

養老川なんてウネウネと肩で風を切って流れるくせに、水量チョロな「やる気なし川」。なのに…いざ大雨になると、パラリヤ♪パラリヤ♪を始めます。「小さい犬ほどよく吠える」、それは川も同じです。
本当にヤバいのは大河川ではなく…キャンキャンうるさい仔犬(川)のほう。そんな千葉県ですが、南房総には農業用ため池(堰)がたくさんあります。仔犬の水量では…農業はできないから。
印旛沼も今回の件で「埋めちまえ!」と思ったかもしれませんが、千葉県にとっては貴重な水がめ。つまり千葉県は、普段は水に困りがちなのに…大雨になったら捨てたい県。でも排水は苦手。
私はこれを、「水の新陳代謝が悪い」と呼んでます。
印旛沼はなぜ決壊したのか(2026年9月)

2026年9月、台風25号による大雨で印旛沼が決壊しましたが…、なぜ溢れたのか考えます。
実は「調節池」でもある印旛沼は利根川と東京湾につながっていて、約2,000万m³の水を一時的に貯め、利根川へ最大92m³/s、東京湾へ最大120m³/s、合計212m³/sを排水できるんです。
そして、計画上の最大流入量は450m³/s。(参考サイト)

もしこの量の水が印旛沼に入ってきた場合、全力で排水しても毎秒238m³(450m³/s-212m³/s)増えるので、単純計算だと約23時間で満タン(2,000万m³)になってしまいます。

でも、2013年の台風26号では、ピーク時の推定流入量はなんと850m³/s。これは約8時間40分で満タンになる水量です。
もちろん850m³/sがずっと続くわけじゃないですが、印旛沼の排水能力が変わらない一方、周辺が開発されて地面の保水力が落ちたり、気温上昇で「極端な雨」が増えてくれば、流入量だけは増えていく。
そりゃあ…溢れますよね。
ちなみに、千葉県鎌ケ谷市には、印旛沼方面へ流れる水の境目を示す「三分水嶺(界)」があります。こんなに離れた場所の変化まで、印旛沼と無関係ではないんです。


印旛沼連合から招集がかかった「あの日」


では2026年9月、台風25号による大雨で冠水してしまった千葉県佐倉市で何が起きたのか。注目したいのは、高崎川と鹿島川の合流です。
Wikipediaに掲載されてる平均流量を見ると、高崎川は1.44m³/s、鹿島川は3.39m³/s。
高崎川は普段なら「チーッス先輩!」と、原チャリで鹿島川へ合流するわけですが…、大雨の日は話が違います。


高崎川が大量の原チャリ軍団(水)を抱えて突っ込んだ先で、鹿島川パイセンの単車軍団(水)もすでにパンパン。「うるせえ!高崎川!こっちも水いっぱいなんだよ!」とワンパン💥で押し返されます。
実際、私が翌日に見た鹿島川は、普段とはまるで違う水量でした。
そして鹿島川の単車軍団(水)は西印旛沼へ入り、北印旛沼へ。その先では排水機場が、長門川を通して最大92m³/sの水を「坂東太郎」こと関東最強の川である利根川へ押し出します。


ちなみに利根川の平均流量は…290.43m³/s、まさに関東最恐。
こうして見ると、佐倉の水害は「印旛沼連合」から招集がかかったものの、鹿島川パイセンにのされた原チャリ高崎川が…佐倉の街でコケたから発生した。こんな見方もできるわけです。
結局、千葉県はなぜ洪水が多いのか

ここまで見てきて思うのは、千葉県で洪水が多い理由は、降った雨を外へ逃がしにくい地形にあるんじゃないかってこと。もちろん、一気にドカーン!と降る雨が増えていることも要因です。
でも千葉県には高い山が少なく、県内を流れる川も大河川というより、高崎川や鹿島川のようなローカル河川が中心。
そして集まった水は印旛沼などへ入り、最終的には排水機場や川を通して東京湾や利根川へ逃がしていく。つまり、大雨で一気に水が入ってきても、それを外へ出すまでには時間がかかるわけです。

普段は農業や生活、さらには工業用水としても使う大切な水だから、印旛沼には水を貯めておきたい。でも大雨になったら、今度は一刻も早くそれを捨てたい。
そこへ最近の「極端な雨」が重なれば、どこかで水が詰まってしまう。私はやっぱり、これが千葉県の「水の新陳代謝の悪さ」なんじゃないかと思います。
2026年9月、台風25号による佐倉の冠水の様子はこちらの動画でも公開しています








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