修学旅行前など、奈良について調べていると「奈良公園の鹿は触っちゃいけません!」という情報を目にして、「え…でも鹿せんべいはあげるんでしょ?」と不思議に思った人、いませんかね。
実際、SNSでも「奈良公園の鹿が怖い」「やばすぎる」なんて投稿を結構見かけます。
現地でも人や車をまったく気にせず歩き回ったり、道路脇でのんびり座る姿を見て、「コイツら態度デカすぎねえ?」と思った人も多いはず。


今回、私も実際に奈良公園を歩き、観光客と鹿の様子をじ~っくり見てきました。
この記事では、そのとき感じたことを交えながら、奈良の鹿が「触ってはいけない」と言われる理由や、「なぜ逃げないのか」という疑問について書いていきます。
奈良公園の鹿はなぜ逃げないのか

奈良公園の鹿が逃げないのは、人間を「危険な存在」ではなく、「一緒に暮らす相手」だと認識してるからでしょう。
奈良公園には柵があるわけではないので、鹿が本気で逃げ出そうと思えば…、外の野山へ脱出することだってできるはず。
それでも多くの鹿が公園内で暮らし続けてるのは、ここが暮らしやすい場所だから。ちなみに、公園内には草木もありますが、約1,000頭もの鹿が十分な食料を確保するのは困難なはずです。

なので、江戸時代から続く鹿せんべいの文化や、保護活動の中で行われる給餌など、人間から得られる食べ物が、鹿にとって「重要なメシ源」になってきたわけです。
また「神の使い」として守られてきた歴史もあるので、人間から危害を加えられることがないという状況が長く続いてきました。

その結果、人間の近くで生活することが当たり前になり、人間が近づいても逃げない鹿が多くなったと考えられてます。
ただ、「逃げないこと」と「人懐っこいこと」はまったく別。奴らはあくまで野生動物なので、何かを間違えると攻撃してくる可能性もある…。つまり、甘く見ちゃダメってことです。
奈良公園の鹿を触ってはいけない理由

奈良公園の鹿は触ってはいけない理由について調べてみると、「国の天然記念物だから」と説明されることがあります。確かに事実ですが…、それが即「触っちゃダメな理由」ってわけじゃありません。
そもそも「大事な天然記念物」だったら、公園でゴロゴロさせておかないで、ちゃんとした飼育施設で管理するんじゃないの?とか…。
そもそも、「せんべいよこせ!」って凸ってくるのは、奴らの方ですからね。

実際に現地の案内を見ると、「触らないでください」というより、「野生動物なので刺激しないでください」という注意が中心でした。
奈良公園の鹿は人に慣れていますが、あくまで野生動物です。刺激すると、噛む、前足で叩く、角で突く、突進するといった行動をとることがあります ─ といったもの。
実際、角のあるオス鹿は迫力があり、近くでジロリと睨まれると…マジで恐怖です。


つまり「触っちゃダメ」というより、「刺激するとヤバい」が実態でしょう。
適度な距離を保って観察する分には問題ありませんが、犬猫の感覚で「きゃー♡、かわいい!」と近づくと、思わぬ事故につながるかもしれません。
奈良公園で鹿を優遇したのは誰なのか

じゃあ、奈良公園の鹿を長い間優遇してきたのは誰なのか。その答えは「興福寺」。ただ、鹿を「神の使い」と最初に言い出したのは…興福寺ではなく、実は春日大社なんです。
春日大社には、祭神の武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白い鹿に乗って奈良へ降臨したという神話が伝わっていて、鹿は神聖な動物だと考えられるようになったんだとか。zzz
へぇ〜、そうっすか…って感じです。

で、なぜ興福寺が鹿を守るようになったのか。それは、興福寺と春日大社がどちらも藤原氏と深い関係を持ち、神仏習合によって「マブダチ」になったから!
興福寺は「鹿は神の使い」という春日大社の考え方を受け継ぎ、それを社会に広めた。
つまり、「鹿は神の使いだ!」とか言い出したのは春日大社で、その考え方に感動し、拡散させたのが興福寺ってわけなんです。(知らんけど)

でも、もし神話に登場したのが鹿じゃなくて、イノシシや熊、白い大蛇だったらどうなったのか。
公園内を白い大蛇がウニョウニョと…、観光客の悲鳴が響き渡る。そう考えると、鹿は「いい落としどころ」だったのかも。なんか、ビジネス臭がしないでもないような…。
なんとも臭い平城京…な「奈良公園」
30年前の奈良公園はもっと平和だった

私が初めて奈良を訪れたのは、中学の修学旅行でした。とはいえ、メインはやっぱり京都。奈良は初日に少しだけ回るだけという…、まるで「弁当の漬物」みたいな位置付けです。
私自身、これから京都で嫌ってほど寺を見るのに、奈良でも寺かよ…、大仏だって「鎌倉のよりデカいだけでしょ?」って思ってました。
そんなわけで、私たちのグループはゴロゴロしてる鹿と遊ぶことにしたんです。
当時、鹿せんべいは確か100円だった気がします。鹿はのんびりと寄ってきて、小さな子どもたちも親と一緒にせんべいをあげていました。そんな平和な雰囲気が印象に残ってます。

私も何度か鹿せんべいを買い、「これ、人間でも食えんじゃね?」とか言いながら食べてみたら、意外と普通に食べられる(笑)。
なので、鹿にあげるフリをしつつ「自分で食う」という、中学生らしい「鬼畜遊び」を楽しみました。それ以来、奈良へ行くことがないまま30年。
今回、「久しぶりに鹿せんべいでも買って、『鬼畜遊び』をしよう!」と思い、奈良を訪れましたが…、その30年前の思い出は、近鉄奈良駅を出て数分で打ち砕かれることになるのでした。
現在の奈良公園は外国人観光客の戦場

現在の奈良公園は、昔とは完全に別世界。近鉄奈良駅から数分歩くだけで、鹿の大群 ─ まあここまでは昔と同じですが…、そこにいる観光客は、ほとんどが外国人です。
みんなスマホやカメラを構え、鹿の撮影に夢中。一方、鹿せんべいは200円に値上がっていて、そのせいか、昔より鹿せんべいを買う人は少ない印象です。
でも、誰かが鹿せんべいを手にした瞬間、鹿の大群に揉みくちゃにされ…、なかには買ってる途中から鹿に囲まれる人も。あちこちで悲鳴が響き、その様子を撮ろうと人だかりができてきます。


鹿の大群に襲われてる本人は必死ですが、周りにとっては絶好の撮影タイム。私も鹿せんべいを買って「鬼畜遊び」をしようと思ってましたが…、とてもそんな雰囲気じゃありません。
買ってる途中から鹿にどつかれ、手に持った瞬間には数十頭の鹿に囲まれる。こんな状態で「鬼畜遊び」なんかしたら、命の保証がありません。



しかも、その姿を世界中の観光客に撮影されるオプション付きです…。結局、30年ぶりに奈良まで来たのに…、私は30分で退散し、近鉄に乗って京都へ。
相変わらず、この街は「弁当の漬物」みたいな存在だなと思い知らされました。あくまで、私にとっては…ですけどね。
でも「なんと楽しい奈良公園」なのかも

「なんと(710)見事な平城京」。歴史年号を覚えるための有名な「語呂合わせ」ですが…、奈良公園を歩いて思ったのは、「なんと(710)も臭い平城京…」でした(笑)。
いやもう…公園中に鹿の糞尿や獣臭が漂い、歩道は鹿のウンコだらけ。それでも、外国人観光客はみんな楽しそう。
先日、旅行で来日した知人のアメリカ人家族が、京都ではなく「奈良へ行きたい!」と言っていたことを思い出しました。

そのときは理由がイマイチ分かりませんでしたが、実際に奈良公園を歩いてみて納得です。
日本人は奈良と聞くと、「なんで?京都行けば?」と思いがちですが…、外国人観光客にとって、京都と奈良の「歴史的な違い」はどーでもいいってのが実態みたい。(人によるでしょうけど)
そもそも「宗教的な制約」もあって、寺社の参拝はできなかったりしますからね。でも「日本的な場所」は観ておきたい。
そんな時、「公園内で鹿の大群に襲われる古都」というのはSNSでも映えるし、「行ってみたい!」と思うのも納得です。
私的には「鹿臭い漬物タウン」でも、外国人には「世界的にも珍しいサファリ型観光地」に映ってるのかもしれません。いやそれにしても…、日本人観光客がいなかった…。








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