「東海三県」と言えば愛知・岐阜・三重。でも、そこに静岡が入っていないことに、ふと違和感を覚えたことはありませんか?
地図では確かに東海地方に見える静岡が、なぜ「仲間外れ」にされるのか。
この記事では、行政区分や地理だけでは説明しきれない「静岡が東海三県に含まれない理由」を、静岡生まれ横浜育ちの筆者が、3つの観点で掘り下げていきます。
読み終えたとき、「静岡が外された」のではなく「静岡が動かなかった」ことに気づけるはずです。
東海三県になぜ静岡が含まれないのか

東海三県 ─ これは名古屋を中心とした生活圏を呼ぶための表現です。愛知・岐阜・三重は名古屋のテレビ放送圏に入り、同じニュースや天気予報を共有します。
一方、静岡県は名古屋の放送圏に含まれず、実際に静岡市内では名古屋の民放は入りません。つまり東海三県とは「名古屋の電波が届く県」と理解するのが正しそうです。
でも、それなら「中京三県」の方が適切な気もしますが…。実は「中京」は東京と京都の中間という意味なので、名古屋的にはちょっと微妙。それに工業地帯のイメージも強い。
そこで、名古屋はイメージの良い「東海」という言葉を選んだのではないでしょうか。
関東にも「京浜東北線」という電車がありますが、横浜市民はこれを「根岸線」と呼び続けています。理由の一つは「工業地帯感がイヤだから…」です。

それなら静岡はどこに含まれるのか?

さて、そんな事情で「東海三県」に入れなかった静岡県。では静岡は「どのチームなの?」と疑問に思った人も多いはずです。
関東甲信越チームにも入っていない。もちろん関西・近畿チームでもない…。実は静岡県は、中部地方という大きな枠組みを除いて、どのチームにも所属しない「珍しい県」なんです。
歴史に詳しい人なら、戦国時代に「甲相駿三国同盟」があったことに気付くかもしれません。でも今は甲斐(山梨県)も相模(神奈川県)も「関東甲信越チーム」で、駿河(静岡県)だけが仲間外れです。
ちなみに静岡県は、かつての遠江国(浜松市周辺)・駿河国(静岡市周辺)に伊豆国が合併して成立した県。浜松と伊豆では、文化も環境もまったく違います。
つまり、静岡県内でも「どこに入りたいかが決まらない」という事情があるわけです。
静岡が「孤高」を貫くもう一つの理由

ところで、静岡県は「ひたすら横に長い」という印象はありませんか? これは静岡県民も同感で、実は静岡県は「他県への移動が難しい県」でもあります。
東の神奈川県境には箱根山が立ちはだかり、北の山梨・長野県境は南アルプスが巨大な壁となるため、北へ抜けるルートは実質的に2本しかありません。
愛知県へ行こうにも、「横に長い自分」が仇となって、往復でとんでもない距離を走ることになります。
一般的に、休日のお出掛けや通勤・通学で県外へ出ることは珍しくありませんが、静岡県民の場合、ちょっとしたお出掛けや通勤・通学程度で県を出るのはレアケース。
つまり、県を出る県民が少なければ、どこかのチームに所属して広域ニュースを届ける必要もない。なので県内のローカル放送と、NHKだけで事足りてしまう。
これが、静岡が「孤高」を貫くもう一つの理由です。









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