料理の味を「ありきたりな表現」ではなく、その場の空気感まで知りたい!という人に向けて真正面から伝え切る「沼メシレビュー」シリーズ。
今回ご紹介するのは、みんな大好き「松のや」のロースカツ丼。この記事では、お店へ向かうまでの街の風景や、料理が置かれた時の景色がどう映ったか。
そんな細かなところを、できるだけそのまま拾っていきます。なお、「味の良し悪し」は語りません。
その店を、料理を、時間を、読んだまま感じていただけるよう、筆者が体験してきた「情景」をお伝えします。
普通の食レポではわからない何かを感じたい時、気軽に読める「もうひとつの視点」として使ってみてください。
店の印象

言わずと知れた、とんかつの全国チェーン「松のや」。店舗数は500店舗を超えるそうですが、今回は足立区にあるお店に行ってきました。
松のやは「松屋フーズホールディングス」が運営していて、あの「松屋」をはじめ、「すし松」や「松牛」、「松太郎」なども兄弟のような存在。
「松」への執着が強めですが…、この会社、元々は練馬区で創業した「中華飯店 松屋」が始まりで、社長の名前は「瓦葺さん」。「松本さん」とか「松田さん」じゃないのは、ちょっと驚きです。
なお、本社所在地は東京都武蔵野市で、三鷹駅北口すぐの場所。言われてみれば、あの辺りは「松なんちゃら系」のお店が多かったように感じます。
なお、三鷹駅から一番近い沼は「井の頭池」。ということで、今回は「松のやの最寄り沼は井の頭池」ということで、沼メシレビューしていきます。
メニューの印象



このお店は「定食ごはん食べ放題」を実施していることもあって、地域でかなりの人気店。また今回は昼どきに訪れてしまったので、店内はほぼ満席でした。
セルフレジで「ロースカツ丼(並)」注文したのち、店内をキョロキョロ…。運良くカウンターの端に空席を見つけたので、そこへ座りました。
セルフのお茶を取りに行きましたが、周囲では牛丼、とんかつ、定食、ハンバーグなどなど、あらゆるメニューを食べている客の姿が目に飛び込んで来ます。まさに「食のデパート」。
これだけ多くのメニューから選べるのは、利用者にとっては大歓迎。でも…、厨房はさぞかし大変でしょう。実際、混雑していたこともあって、着丼までは少しだけ待ちました。
でも、届いたカツ丼には驚愕です。「で…、でっか!」並盛りとは思えないボリュームと、鼻腔をくすぐるカツ丼臭!
食べた印象



そんな「でかカツ丼」は、丼の縁いっぱいに衣をまとったカツがのっていて、その大きさに圧倒されます。
箸でひと切れ持ち上げ食べてみると、ふわっとコショウの香りが立ち上り、「揚げたてのトンカツ」としてしっかりとした下味を感じます。
卵でとじられていながらも、カツ自体の存在感はしっかり残っていて、衣のシャクッ!とした歯ざわりもアピールしてくる。
ロース肉はふんわり柔らかく、みつばと長ねぎのシャキシャキ感も、良いアクセントになっています。
ただ、全体的には「見た目以上に角のあるカツ丼」という印象で、甘さや柔らかさよりも、揚げたての熱さと「肉のパンチ力」でぐいっと押してくる。
とんかつ屋が「プライドにかけて作ったカツ丼」、そんな力強さを感じます。ボリュームの多さは本物で、終盤はかなり満腹感が押し寄せてきました。
食後の余韻


さて、同じとんかつチェーンでも、「かつや」は角の取れた、まるい味わいのカツ丼だと思っています。言うなれば「お母さん的」というか、やさしくまとまった印象です。
野菜たっぷりの豚汁も食べて「栄養つけなさい」って言いそうなのが「かつや」。
一方、今回の「松のや」はカツの主張がバンバン出てくる強さがあって、まさに「お父さん的なカツ丼」だと感じました。
普通の味噌汁も付いていて、とにかく腹一杯食って「元気に働いてこい!」って言いそうなのが「松のや」。同じカツ丼でも、表情が全く違というのは不思議です。
ところで…、この日はカウンターの端で食べていたのですが、店内が混雑していたこともあり、すぐ隣でテイクアウトを待っていたゴツいおっちゃんの視線が終始気になり…。
かなり気まずい思いをしました笑。あ…「まずい」って言っちゃった…。










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