海の森公園のわいわい広場って実際どうなの?釣りもできる?─ そんな疑問を持って検索してきた方へ。
家族での週末レジャー先として気になりやすいこの公園ですが、現地を訪れてみると事前に知っておきたい注意点がいくつも見えてきました。
この記事では「わいわい広場」の遊具や休憩環境、釣りの可否、アクセス面の落とし穴などを実体験に基づいて詳しく解説します。
行く前にこれを読んでおけば、「こんなはずじゃなかった」を回避できます。
海の森公園わいわい広場の実態を現地レポート
設置されているのは遊具が3種類だけ





わいわい広場にある遊具は、全部で3種類だけです。まず最も目立つのが高さ14mの大型複合遊具。高所から滑り降りる複数のスライダーが楽しめるタイプで、6〜12歳向けの仕様になっています。
次に小さな子ども向けのミニ遊具があり、こちらは幼児でも安心して遊べる低めの滑り台とステップ構成。
そしてもうひとつがロープを張り巡らせたネット遊具で、よじ登ったり渡ったりする動きが中心のクライミングタイプです。
遊具はいずれも新しくデザインも洗練されていますが、これら以外に遊べる設備は一切ありません。
名前に「わいわい」と付いているほどの賑やかさは感じられず、あくまで「最低限の3種類が並ぶだけの広場」という印象。子どもによっては、すぐに飽きてしまう可能性もあるでしょう。
日よけもベンチもなく過ごしにくい環境だった



現地で強く印象に残ったのは、「暑さをしのぐ手段がまったくない」という環境でした。まず広場には木陰になるような場所が一切ありません。
あずま屋のような屋根付きの休憩スペースもなく、ベンチはひとつも設置されていません。そのため保護者や小さな子どもたちは、大型遊具の下のわずかな影に身を寄せて日差しを避けていました。
真夏の昼間に訪れたこともあり照り返しも強く、遊具に触れると「やけどに注意」の看板が掲げられていたのも納得できる暑さでした。
飲み物を買える自販機はトイレの前に2台設置されていますが、それを飲む場所すらないというのが現実です。
子どもを遊ばせている間、保護者が安心して過ごせる場所が皆無であり、滞在の快適さという点ではかなり厳しいものがあります。
海の森 水上競技場の駐車場が最寄りでお得



わいわい広場を訪れるなら、「海の森水上競技場駐車場」が最寄りです。ここは広場のすぐそばに位置しており、駐車場から徒歩2〜3分でアクセス可能。
料金は土日でも1日500円と手頃で、現金以外の支払い方法も可能です。対して公園の中央口付近にある「海の森公園駐車場」はやや罠的な存在。
こちらを使ってしまうと、わいわい広場までは炎天下のアスファルト歩道を約14分歩くことになります。しかも料金は土日1,000円で支払い方法は現金のみ。
車を一度出して停め直すという判断をする人はまずいないため、結果として小さな子どもを強い日差しの中で歩かせることになりがちです。
距離・料金・安全面のすべてを踏まえると、初めから「水上競技場駐車場」に停めるのが圧倒的におすすめです。
海の森公園で釣りができない理由とその背景
池での釣りは禁止されており遊びも制限される

海の森公園の敷地内にはいくつか池がありますが、いずれも釣りは禁止されています。
公式HPにも「池での魚釣り禁止」と明記されており、現地でも釣り竿を持っている来園者は一人も見かけませんでした。
さらに「池への立ち入り自体が禁止」とルールに記載されており、水辺に近づくこともできません。柵や植栽で明確に仕切られており、そもそも人が入れるような構造にはなっていないのです。
また園内ルールでは「動植物の採取」「生物への餌やり」「ラジコン・ドローンの使用」などもすべて禁止されており、子どもが生き物に触れたり自然と遊んだりするような体験は一切できません。
釣り目的で訪れるのはもちろんのこと、水辺遊びを期待して来園しても、そのニーズには応えてくれない場所です。
海沿いは釣り可能なスペースが一切ない構造

海の森公園という名称から「海に面しているのでは?」と期待する人も多いと思いますが、実際には海との接点はほとんどありません。
公園の敷地の外周は海の森水上競技場やその他管理施設に囲まれており、一般の来園者が自由に海辺へ降りられるような場所は存在しません。
駐車場や通路から海を視認することはできても、そこに降りて釣り糸を垂らせるような構造にはなっておらず、柵や植栽、防護柵などによって完全に遮断されています。
また海の森水上競技場の公式サイトにも「釣りは禁止行為」と明記されており、釣り目的でこのエリアに立ち入ること自体が規制対象となります。
池もダメ、海も入れない ─ つまり海の森公園周辺で釣りを楽しむ余地は、現状まったくないと断言できます。
公園全体が自然保護を目的とした区域に指定されている

海の森公園は、もともとごみと建設残土によって造成された人工島を「自然に返す」ことを目的として整備された場所です。
園内では動植物の採取、池への立ち入り、生物への餌やりなど、自然環境に干渉するあらゆる行為が禁止されています。釣りができないことも、そうした保全方針の一環と捉えるのが自然です。
また立入禁止区域や保護エリアも複数あり、全体的に「人が自由に遊ぶ」というより「人間は距離をとって見守る」というスタンスが強く感じられます。
歩道や施設は整備されていますが、園内の広範囲が人の手から離されており、都心にある公園とは一線を画しています。
実際の雰囲気としては、都市型公園というより保護林や生態系調査区域のような印象を受ける場所です。
海の森公園に漂う違和感の正体を探る
広いのに日よけやベンチが極端に少ない設計

海の森公園はとても広く、園内を歩くだけでも体力を使います。ところが、それに対して休憩できる場所があまりにも少ないのが実際のところです。
ベンチはいくつか設置されていますが、広さに対して数がまったく足りておらず ─ 日陰のある場所に限って言えば、ほぼ争奪戦のような状態に。
あずま屋のような屋根付きの休憩所も数は限られており、前述の通り「わいわい広場」では来園者が大型遊具の影に集まっていたのが印象的でした。
また園内は舗装されていない道も多く、舗装されたルートだけでは行動範囲が制限されます。
これだけの敷地と動線がありながら、休憩や滞在への配慮が後回しにされているようなつくりは、公園の設計としてやや不可解に感じられました。
歩行距離が長く体力的にきつい構造だった

海の森公園駐車場から「つどいの草原」へ向かうには、中央口から標高30メートルほどの丘を階段で登る必要があります。見た目以上に段数が多く、子どもを連れて上がるにはなかなか堪える行程です。
登り切った先も延々と道が続き、公園内を移動するだけでかなりの距離を歩くことになります。
ところが園内マップを見ても「ふるさとの森」や「渓谷」など、あるのは地形の名前ばかりで遊具や見どころらしいものは皆無です。
そのため「ここで何するの?」と戸惑うことに。しかも虫とりや生き物採集も禁止されており、自然を使った遊びすらできないという状況。
広いわりに子どもが楽しめる要素が少なく、歩けば歩くほど会話が減っていく感覚を覚えました。
露出した配管や立入禁止区域が景観に違和感を生む

園内を歩いていて、ふと気になるのが「景観の不自然さ」です。
足元の植栽は整備されているものの、至る所に立入禁止の看板やロープが張られた区画が存在し、自由に動けるエリアは思った以上に限られています。
さらに場所によっては地面から太い配管のようなものがむき出しになっており、近代的な構造物というよりは仮設工事の途中といった印象を受けました。
人工島であることを考えれば理解はできるものの「自然に囲まれた癒やしの空間」として期待して訪れると、その景観には大きなギャップがあります。
整備が未完了というより「あえて整備していない」ような場所もあり、公園としての世界観に統一感がないことが、違和感につながっているのかもしれません。
海の森公園を訪れる前に知っておきたい本質
自然再生を目的とした発展途上の場所である

海の森公園は、東京湾に造成された人工島を「自然に返す」ことを目指して整備されたエリアです。
もともとは埋立地としての役割を終えた場所であり、現在は植林や保全活動を通じて自然環境を徐々に取り戻すフェーズにあります。
園内には立入禁止区域が多く、人が自由に使うというより立ち入らずに見守る構造が随所に見られます。
若い木々が並ぶ散策路や未整備のエリアがその背景を物語っており、完成形の公園として訪れると拍子抜けするかもしれません。
この場所は今まさに「都市の片隅を自然に戻す」過程にあり、人間の都合で使い倒すより回復を支える存在として関わるべき場所なのだと感じました。
家族連れには快適さと配慮が不足している

公園というと木陰のベンチや水飲み場、広場で遊ぶ子どもたち ─ そんな光景を思い浮かべがちですが、海の森公園ではそうした「基本的な快適さ」があまり整っていません。
日陰はほとんどなくベンチも数が限られており、自販機はあるけれど飲食スペースがない。しかも導線によっては延々とアスファルトの道を歩かされ、夏場は体力的にも精神的にもこたえます。
現地では遊具の下で身を寄せて日差しを避ける親子の姿が印象的でした。自然再生という目的は理解できるものの、家族で一日過ごせるかといえば正直難しい。
子どもを楽しませたい、親も少し休みたい ─ そんな期待には、まだ応えられる環境にはなっていないと感じました。
「公園」という名前に期待しすぎてはいけない

「海の森公園」という名前から、整備された都市公園を思い描いて訪れる人は多いはずです。
しかし現地に広がっていたのは、整いきっていない歩道、立ち入りが制限された区画、そしてあちこちに残されたむき出しの配管。
言葉の印象と実際に目にする風景とのギャップは、かなり大きいと感じました。「公園」と聞くと、整備された快適な空間を想像するのが普通です。
でもこの場所は、その言葉に期待しすぎると戸惑う可能性が高い。名前がついているから「使える」とは限らない。その感覚は、ここを訪れた人にしかわからない違和感かもしれません。
アクセスや見どころを調べるだけでなく、「どんな意味を持った公園なのか」を理解してから訪れることをおすすめします。
まとめ

海の森公園は、まだ「家族で遊びに行く場所」としておすすめできる状態ではありません。特に小さな子どもがいる家庭にとって、夏の時期はかなり厳しい環境です。
遊具は限られており、日陰や休憩所も少なめ。広さのわりに遊びの要素が乏しいのが現状です。釣りも禁止されているため、期待して訪れるとギャップに戸惑うかもしれません。
それでも行くという場合は、熱中症対策を万全にしてください。水分補給や日差し対策を怠らず、無理のない範囲で回ることが大切です。
この場所は自然を回復させるという大きな目的を持った公園です。楽しむというより、そうした背景を知ったうえで静かに向き合う場所だと思います。
行く前に「何ができて何ができないのか」を知っておくこと。それが最も大事です。
編集後記
今回訪れた「海の森公園」は、2025年3月に開園したばかりの場所で、前から少し気になっていた場所でした。
タイミング的に2時間ほど時間が取れたので、中央口から公園のメイン通りを歩き、わいわい広場まで行ってみました。駐車場も実際に2ヶ所試してみるなど、できる範囲で見てきた中で感じたことをこの記事にまとめています。
実際の内容はややネガティブに見えるかもしれませんが、この公園がもともと中央防波堤という埋立地、つまり東京のごみや建設残土でつくられた人工島であるという背景を考えると、今すぐ快適な公園にできないのは当然ともいえます。
むしろ東京都が責任を持って「自然に返す」取り組みを進めている場所であり、すぐにレジャー施設として楽しめるものではありません。
とはいえ「公園」と名がついている以上、期待と現実のギャップが生まれやすいのも事実。特に小さなお子さん連れの場合は、真夏の訪問はあまりおすすめできません。
もし行くなら熱中症対策は万全にして、無理のない計画で訪れてください。
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