タヌキのしっぽはなぜ「しましま」?:ラスカルとマリオが作った意外なイメージ

タヌキのしっぽはなぜ「しましま」?:ラスカルとマリオが作った意外なイメージ 沼ナレ

SNSで「自宅にタヌキが出た!」といった投稿を見たとき、しっぽがしましまに見えて「それってアライグマじゃない?」と感じたことはないでしょうか。

実際、タヌキのしっぽは「しま模様」ではありません。ではなぜ、多くの人がタヌキのしっぽは「しましま」だと思っているのでしょうか。

この記事では、タヌキのしっぽの「本当の特徴」を押さえたうえで、そのイメージがどこから広がったのかについて迫っていきます。

タヌキのしっぽを「しましま」にしてしまった二大キャラクターと「全国のタヌキキャラ事情?」について、ちょっとした理解が深まるはずです。

 

まず結論:タヌキのしっぽは「しましま」ではない

まず結論:タヌキのしっぽは「しましま」ではない
実際のタヌキ(アイキャッチのタヌキ画像は合成です)

多くの人が「タヌキのしっぽはしましま」というイメージを持っているでしょう。でも、タヌキのしっぽはアライグマみたいな縞模様ではありません。

毛の色は灰色から茶色くらいで、全体としては「ほぼ単色」に見えます。先っぽが少し黒っぽくなることはありますが、「しましま」と言うほどではありません。

つまり「タヌキのしっぽ=しましま」というのは、あくまでイメージ。ではなぜ、こんなイメージが広まったのか。そのヒントはアライグマです。

まず結論:タヌキのしっぽは「しましま」ではない
アライグマ

外来種ですがタヌキと体格や顔つきが似ていて、日本では1977年のアニメ「あらいぐまラスカル」で広く知られるようになりました。

そしてラスカル最大の特徴が、あの「しましま模様のしっぽ」です。つまり、「しましまのしっぽ=かわいい♡」を最初に広めたのは、アライグマだった可能性が高いというわけです。

 

なぜ「タヌキのしっぽ=しましま」になったのか?

ラスカルが日本人へ与えた「しましまの衝撃」

実際、日本で昔から親しまれてきたタヌキでは、「しっぽの模様」はあまり重視されていません。

飲食店の店先にドーンと置いてある「信楽焼のタヌキ」や昔話の挿絵でも、目立つのは丸い体や愛嬌のある顔、そして「風もないのにぶ〜らぶら♪」的な部分ばかり。

しっぽがあっても単色に近く、「しましま」が表現されることはほとんど無いように感じます。そもそもタヌキは夜に動くことが多いので、あまり人の目に触れる動物でもない。

ラスカルが日本人へ与えた「しましまの衝撃」

なので昔の人も、しっぽの細かい模様までじっくり見ていたかどうかは微妙なところ。つまり、昔の日本人にとってタヌキは、「しましましっぽの動物」ではなかったということです。

そこにあとから、しましましっぽを持つかわいい動物 ─ アライグマの印象が入りこんだことで、「現在のタヌキイメージ」ができ上がったと考えられます。

「しましま」を広めたのはマリオかもしれない

さて、1977年にラスカルが「しましましっぽ」を日本に持ち込みましたが…。

その11年後の1988年、任天堂がファミコン用ソフトとして発売した「スーパーマリオブラザーズ3」で「タヌキマリオ」が初めて登場しました。

このタヌキマリオのしっぽこそ、ご存知の通り「しましま模様」。「スーパーマリオブラザーズ3」は大ヒット作で、テレビCMやゲーム雑誌を通して日本中の子どもたちが「しましましっぽ」を目にします。

実際、当時私は小学4年生でしたが、しましましっぽに何の違和感も持ちませんでした。

なぜなら、当時はラスカルの再放送などによって「タヌキ的な動物のしっぽ=しましま」という印象がすでにあったから。

そこに颯爽と「タヌキマリオ」が登場したことによって、「タヌキのしっぽはしましま」というイメージが一気に広がったんだと思います。

 

タヌキマリオ最強説が本当なのかを検証してみた

全国のタヌキキャラクターのしっぽは意外と単色

いやでも…、いくら何でもマリオだけでタヌキのイメージを変えられるわけないじゃんって思ってる方のために、少し調べてみました。

例えば同じ任天堂のキャラクターでも、どうぶつの森「たぬきち」のしっぽは単色。スタジオジブリの映画「平成狸合戦ぽんぽこ」もしっぽは単色で描かれています。

全国のタヌキ系ゆるキャラで見てみると、小松島市の「こまポン」、東広島市の「のん太」、北九州市八幡西区の「官兵衛タン」、古河市の「刻狸」、土山サービスエリアの「土山たぬき」など、しっぽはほとんどが単色です。

逆に、しましましっぽを採用している例は、「タヌキマリオ」と木更津市の「さきぽん」くらいしか見つかりません。(全て調べた訳ではありませんが…)

こうして見ると、「タヌキのしっぽ=しましま」という印象は「マリオの偉大なブランドイメージ」によって作られたと考えられないでしょうか。

東京の足立区で実際に見た野生タヌキの姿とは

東京の足立区で実際に見た野生タヌキの姿とは
東京都足立区で撮影したタヌキ

ところで、私は東京の足立区に住んでますが…このあたりでは、たまにタヌキを見かけます。それは公園や住宅街の路地など、普通の生活環境で。

最初は野良猫かと思いますが、何となく様子が違う。猫よりひとまわり大きく、毛並みはモジャモジャで、全体的にデブい感じ。顔の模様も猫とは違い、見るからにタヌキズラ。

ただ、その時はすぐに「タヌキだ!」とは思えなかったりします。理由は、「しっぽが単色」だから。

今でも家族とマリオカートで勝負する時はタヌキマリオをチョイスする「ファミコン世代の私」にとって、「しましましっぽ」じゃない動物はタヌキに見えない ─ これが実態でした。

でも、もし見かけたのが「しましましっぽの動物」だったら…それはアライグマかも。地域によっては駆除対象になってたりするので、自治体に確認した方がよいかもです。

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