貴様という表現はなぜ失礼なのか:意味が反転した「言葉の沼」を読み解いてみる

「貴様」という表現はなぜ失礼なのか:意味が反転した「言葉の沼」を読み解いてみる 沼ナレ

「貴様」という言葉。実際に誰かから言われたわけでもなければ、マナーを確認したいわけでもない。でも、どこかでこの言葉にひっかかる感覚を持ってしまった人のための記事です。

「貴」と「様」、漢字だけを見ると丁寧に見えるのに、なぜか使ってはいけない言葉。そのギャップにモヤモヤし、「なんで失礼になっちゃうの?」と気になってしまう…。

この記事では、「貴様」がなぜ侮辱語になったのか、その裏にある日本語の仕組みや歴史をひも解いていきます。読み終えた頃には、この言葉のことをちょっと違った目で見ているかもしれません。

 

そもそも「貴様」は失礼な表現なのか?

そもそも「貴様」は失礼な表現なのか?

今の日本語において、「貴様」は完全に「失礼な言葉」として知られています。

一般人が日常会話で使うことは殆どないと思いますが…、仕事やフォーマルな場面では完全にアウト。実際に言ってしまったら「ハラスメント」扱いされる可能性すらある、攻撃性の高い言葉です。

現在この言葉が使われるのは、ご存知の通りアニメやドラマ、漫画、ネット上など、フィクションの世界に限られます。

そして、このセリフは決まって「喧嘩」や「威嚇」、「上下関係の誇示」みたいな、ちょっとギスギスした場面で聞こえてくる。

つまり「貴様」という表現は、関係を突き放す「敵対ワード」として、完全にそういう位置に落ち着いています。

つまりこの言葉をどう評価するかは、漢字の意味より「どんな場面でどう使われてるか」が決め手になっているわけです。

 

「貴」と「様」は何を意味しているのか?

「貴」と「様」は何を意味しているのか?

「貴」は、「高貴」「貴重」「貴族」などに使われるように、価値が高いことや尊さを表す漢字です。

「貴社」「貴校」などの言い方もそうで、ここでは評価というよりも、相手を自然に「敬意の位置」に置くための言葉として使われています。

一方「様」も、「様子」「模様」などの意味を持ちながら、「お客様」「神様」などでは「敬称」として機能しています。

つまり「貴」と「様」はどちらも意味として丁寧な言葉でありながら、構造として「相手を敬うための記号」として働く漢字というわけです。

つまりこの二つが合わさった「貴様」は、字面だけを見るととても丁寧そうに見えますが…、でも実際には、敬意が重なりすぎた構造になっていて、そこには不自然さや違和感も生まれている。

このズレこそが、「貴様」という言葉に独特のひっかかりを感じさせる理由なんです。

 

「貴様」はなぜ失礼な表現になったのか?

「貴様」はなぜ失礼な表現になったのか?

「貴様」はもともと、相手に敬意を示す表現でした。ところが歴史の中で意味が反転し、現代では敵対語になってしまったと言われています。

でも…、なぜ「貴様」だけが反転したのか?イマイチ納得のいく情報が残っていないのが実態です。例えば「貴殿」はOK(反転してない)なのに「貴様」はNG(反転した)。

そのヒントは、「敬意+敬意」という意味の重なり構造にあります。日本語では同じ意味の言葉が重なると、アホっぽい響きになりやすい。

たとえば「腹痛が痛い」「毎日がエブリデイ」のように、重なることで「アホっぽさ」が生まれ、皮肉に変わりやすくなる。

つまり「貴様」も過剰な敬意が不自然さを生み、物語の中で「バカにする言葉」として使われた結果、反転してしまったのではないでしょうか。

ちなみに、「殿」は目下の人へ使う表現です。意外ですけどね…。

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