ニュースで「日本に大きな資源が見つかりました」と聞いて、「えっ、日本って資源あるんじゃないの?」「でも、なんで掘らないの?」って、不思議に思ったことはありませんか?
この記事では、そんな素朴な疑問に対して、日本という国の地形や経済・外交、そして世論との関わりをふまえて、ていねいに整理していきます。
「技術がないの?」「コストが高すぎるの?」そんな単純な話ではない背景が見えてくるはず。読み終わる頃には、ずっとモヤモヤしていたその違和感が、ふっと晴れているかもしれません。
日本とガス田の「複雑な距離感」とは
日本には本当にガス田があるのか

「日本に巨大なガス田が発見されました!」なんて聞くと、私たちはつい「掘ればすぐに使えるような”確定済みの資源”が見つかった!」と思ってしまいがち。
でも、実際にニュースなどで言われる「発見」というのは、地質や物理の調査を通して「ここにはガス田がある可能性が高い」という段階の話なんです。
たしかに南関東ガス田(千葉県)や日本周辺の海底には、有機物がたまった層や、ガスができやすい温度・圧力の条件が見つかっており、ガス田らしき反応も確認されています。
ただ、ここ掘れワンワンすれば「確実に使える」と確定した、というわけではありません。特に最近注目されているメタンハイドレートなども、まだまだ技術やコストの課題が多い状況です。
つまり「ある」と「掘れる」は、まったく別の話として考えなければいけない、ということなんです。
ガス田があるのに「なぜ掘らない」のか

ただ日本が資源を「掘らない」のは、単純に「技術やコスト」の問題だけが原因、というわけではありません。実際、世界には海底のガス田もたくさんあります。
でも、それらは地盤が強固で地震も少なく、設備を安定して運用できる場所という共通点があるんです。一方、日本近海はプレートの境界で、活断層が密集する不安定な場所。
海底の地盤も揺れやすく、万が一事故が起きたときの制御も難しいのが現実です。
これがもし地上で発見されたガス田の場合、採掘による地盤沈下や水位低下などの影響も考えられるため、ハードルはさらに上がります。つまり、現状ではLNGの輸入などに頼るほうが合理的というわけ。
自宅の地下10mにハサミが埋まっていることを知っていても、わざわざ掘り出して使わないですよね?だって、ダイソーで買った方が早くて安いから。
掘れないなら「無駄」に感じる2つのこと
掘れないのになぜ調査は続けるのか

では、ここで感じる1つ目の違和感。「どうせ掘れないなら、なんで調査して見つけて来るの?」という、超合理的な疑問です。
でも実は、「今すぐ掘る場所を探すために調査している」わけではありません。国が資源を調べるのは、将来に向けて「あらゆる選択肢を残す」ため。
技術が進めばワンチャンあるかもしれないし…、「ここに何があるか知ってる」こと自体が、国にとっては「大事な武器」になったりする。
特に日本のEEZのように広大な海域では、調査を積み重ねることが「ここは日本がきちんと関わっている場所だ」という証明にもなり、それが国際的な交渉でも効いてきます。
「掘れない」と「調べない」は別の話。今すぐ掘らないとしても、情報だけはちゃんと持っておく。神経衰弱ゲームでは、最初の数ターンはただカードをめくりますよね?あれと同じです。
掘れないのに報道する理由はなぜか

そして最後に、2つ目の違和感。「どうせ掘れないなら、なんで報道するんだよ。期待しちゃったじゃん。」と…、「掘る掘る詐欺」みたいなニュースはやめてくれ!という切実なもの…。
でもこれ、資源のニュースに見えて、実はちょっと違います。
この報道の目的は「バブリー到来か!?」と期待させることではなく…、「あの地域・海域は日本にとって大事な場所」という意識を、国民に持ってもらうことです。
そうしておけば、いざトラブルが起きた時も、政治がリーダーシップをとりやすくなる。つまり、報道には「領域の話を、あらかじめ自分事にしてもらう」という意味があるわけです。
すぐ掘る話ではなくても、そういう空気が国の行動を支える土台になる。つまりこれは「資源のニュース」ではなく、「国としての認識づくりのニュース」だった、というわけなんです。







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