箱根ドライブに不安を感じている初心者の方へ。「箱根って車で走ると危ないの?」と心配になった経験はありませんか?
実際、箱根は観光地でありながら「急カーブ」「濃霧」「急勾配」「細道」など運転に注意が必要なエリアも多く存在します。
本記事では箱根で「本当に危険」とされるルートや走行時にありがちな落とし穴、安全に走るための回避術までを具体的に解説。
はじめての箱根ドライブでも安心して走れるよう、知っておくべきポイントをわかりやすくまとめました。不安を減らしながら箱根の絶景と温泉を安心して楽しむためのヒントが手に入ります。
なぜ箱根の運転は「怖い」と言われるのか?
急カーブ・勾配・霧…地形が生む緊張感

箱根エリアの山道は、まさに「地形が生む難所」です。まず目立つのが連続する急カーブ。上り坂ではスピードが出にくく、ハンドル操作に集中力が求められます。
逆に下り坂ではブレーキ操作を誤ると制動距離が伸び、焦る初心者も多いポイントです。さらに標高差によって天候が変わりやすく、季節や時間帯によっては濃霧に包まれることも。
前が見えづらい中でカーブが続く道は慣れていない人にとってプレッシャーそのものです。舗装は整っていますが山肌沿いの道幅が狭い箇所も多く、圧迫感が不安をあおります。
車幅感覚に自信のないドライバーにとって箱根は緊張の連続。観光地であると同時に、箱根は本格的な山道でもあるという意識を持って走ることが大切です。
走り屋・観光客・地元車が入り乱れる道路状況

箱根の運転が怖いと感じられるもうひとつの理由は「走行する車の多様性」です。観光地であるがゆえに、道路にはさまざまなタイプの車が入り混じっています。
観光客は道に不慣れなことが多く、減速や急停車も少なくありません。
一方で地元の車は道を熟知しておりスムーズに走りますが、そのぶん速度差が大きくなり初心者にとっては「追われている」ような感覚に陥ることも。(「地元の軽トラが一番速い説」すら存在する)
そして週末や早朝には「走り屋」たちが登場します。ワインディングを攻める走行スタイルは、後ろにつかれただけで緊張してしまう人もいるでしょう。
スピード感も目的も異なる車同士が同じ道路を走ることで、初心者には非常に神経を使う環境になっています。
カーナビの落とし穴?細道誘導の危険性

最近のカーナビは非常に賢くなりましたが、箱根ではその「賢さ」が裏目に出ることがあります。渋滞回避で案内される最短ルートが、実は地元民や走り慣れた人しか使わない裏道や林道であるケース。
こうした道は狭く街灯もなく、カーブの先が見えづらいため初心者にはかなり厳しいルートです。たとえば「はこね箱根金太郎ライン」などは、ナビ任せでうっかり入ってしまう人が後を絶ちません。
ここは一度入り込むと10km以上も延々と林道のような区間を走ることになり、精神的にも体力的にも大きな負担に。(長くて寂しい道なので、慣れないドライバーにはちょっとおすすめできません)
山道の運転に自信がない場合、箱根ではナビが提案する最短ルートよりも大通りを優先するのが基本です。距離が多少伸びても安心感は圧倒的に違います。
初心者要注意!箱根で本当に危ないルートとは
七曲りで有名な旧東海道(県道732号)は超難関



箱根の旧東海道(県道732号線)は、一見すると風情のある静かな旧道です。お玉ヶ池や甘酒茶屋、見晴茶屋などの観光スポットが並び、道幅もそれほど狭くなく交通量も控えめ。
「あれ?意外と快適かも」と油断しがちになります。
しかしそれこそが最大の罠。ここから小田原方面へ山を下って帰ろうとした瞬間に突如現れる「七曲り」は、急斜度・連続カーブ・見通しの悪さがそろった「狂気のゾーン」。
下り坂でブレーキに不慣れなドライバーは簡単に制御を失います。助手席でも酔うほどのレベルで、初心者にとっては完全に「事故物件」。
とくに厄介なのは、この道はそこに至るまでが平和すぎること。ナビに従って進んだ先に、まるでトラップのように現れるのがこの区間です。
自信がないなら旧東海道(県道732号線)は絶対に選ばないこと。甘酒茶屋を過ぎても油断せず、引き返せるうちに引き返してください。

椿ラインは二輪の「聖地」狭さとスピードに要注意

椿ライン(県道75号線)は大観山展望台から湯河原方面へ抜ける山道で、二輪ライダーに人気のルートです。道の状態は良く見晴らしも抜群ですが、道幅は狭くカーブも連続。
週末にはスポーツバイクが多く流れが速くなりがちです。特に初心者ドライバーにとっては、後続車に追いつかれることで焦ってしまう場面も多くなります。
とくに注意したいのは、箱根で遊んだあと湯河原の宿に向かうようなケース。ナビ設定次第では椿ラインが案内されることがあるため、無自覚にこの道に入り込んでしまう可能性があります。
不安な場合は「熱海峠経由」で熱海市街を抜け、海岸線沿いで湯河原へ戻る迂回ルートの方が安心です。スリルより安定を優先したいなら、ルート選びの段階から気をつけておきましょう。

芦ノ湖・箱根スカイラインは上級者が集まる「静かな緊張エリア」

芦ノ湖・箱根スカイラインは箱根峠から長尾峠までを結ぶ有料道路で、観光ドライブにも人気のルートです。道は広く舗装も美しく、見晴らしも良好 ─ 一見すると「快適そのもの」に思えます。
ですが実際には旧車やスポーツカー、高級車に乗るベテランドライバーが多く、全体的に流れが速い傾向があります。
走りに余裕のある車が連なっていることもあり、初心者にとっては後続車のスピード感や「顔面の怖さ」にプレッシャーを感じる場面も。
さらに交通量がそれほど多くないためペースが遅いと逆に目立ちやすく、精神的に疲れてしまう人もいます。
道自体に危険はありませんが、「のんびり走れる道」とは少し違う側面があることを知っておくと安心です。安全に楽しむには「快適だけど空気感は速い」と心得ておくのがポイントです。

もし走り屋に出くわしたら?初心者のための走行対処術
山道は「全員バラバラのスピード」が当たり前

都市部では「周囲と同じスピードで走る」のが基本ですが、山道ではその常識が通用しません。箱根のような山道では走行スピードに「正解」がなく※、ドライバーごとに感覚が大きく異なります。
※もちろん法定速度は守る前提でのお話です。
ゆっくり観光ドライブを楽しむ人もいれば、慣れた地元車やバイクは軽快に走り抜けます。さらに山道好きの「走り屋」が独自のリズムで追いついてくることも。
そこで大切なのは「自分のペースを守ること」と「後続車の接近にすぐ気付くこと」。スピードの違いは悪ではなく、山道ではごく自然なことです。無理に合わせる必要はありません。
逆に後続車の気配を感じたら、落ち着いて道を譲ればOK。山道は全員が違うペースで走っている場所。だからこそ自分のリズムを保つことが大切です。
後続車はハザードで譲る、それが最強の回避行動

後ろから車やバイクがぴったりついてくると、つい焦ってしまいがちです。でも箱根のような山道では「後続車が速い=悪」ではありません。
単に運転に慣れているだけ、目的地まで急いでいるだけ ─ そんな場合も多いのです。そんなときは無理にペースを上げず、「譲る」ことでスッと解決できます。
見通しの良い直線があれば、左に少しだけ寄ってハザードを点ける。それだけで相手は安全に追い越してくれますし、トラブルにもなりません。
無理に張り合ったり意地を張る必要はありません。譲った方が自分の気持ちも道もスッキリします。
山道では「抜かせるタイミングを見つけて譲る」が最強の自衛策。追いつかれたときこそスマートに流す。そうすれば余計なストレスを避けることができます。
ガチ勢に遭遇しても慌てないための心構え

箱根では、ときに「本気仕様」のスポーツカーやカスタム車に出くわすことがあります。車高の低さ、大きなエンジン音、圧のある雰囲気に驚いてしまうかもしれません。
実際にドリフト走行を見かけることは殆どありませんが、それでも「走り屋」っぽさに気圧される場面はあります。
でも慌てなくて大丈夫。彼らは自分の車を何よりも大切にしているため、ぶつけたりしないよう「彼らなりに」意外と丁寧に運転してるのです。
大切なのは、あなた自身が動揺しないこと。焦って急ブレーキを踏んだり、無理なハンドル操作をすると逆に危険です。いつも通り車線をキープして淡々と運転を続けるのがベスト。
怖いと感じても、それを真正面から受け止めず「流す」感覚がコツです。落ち着いていれば走り屋とも安全に道を共有できます。
箱根ビギナーも安心!おすすめルートと選び方
迷ったら国道1号!広くて2車線の王道ルート

箱根を初めて運転するなら、まずは国道1号線を選ぶのが鉄板です。このルートは「箱根新道」や「旧道」としても知られ、観光や通勤で日常的に使われるメイン道路。
整備状態が良く道幅も広く、急な坂やカーブも少なめです。箱根峠より西側は2車線の区間も多いため、ゆっくり走っていても後続車に抜いてもらえる安心感があります。
道の駅やサービスエリアも点在しており、休憩しながら進めるのもメリット。主要な観光地へのアクセスもしやすく、初心者ドライバーにとってはもっともストレスの少ないルートと言えるでしょう。
カーナビに従って裏道に入るのではなく、「遠回りでも国道1号を選ぶ」のが安全運転のコツ。箱根では「道幅の広さ=心の余裕」と心得て、堂々と王道ルートを選んでください。
箱根ターンパイクは有料だけど最も快適な道

「少しでも安心して走りたい」という方におすすめなのが、箱根ターンパイク(現:アネスト岩田ターンパイク箱根)です。
この有料道路はかつて新車を紹介するテレビ番組にも登場したほど美しく整備されており、路面状況も非常に良好。
観光道路として設計されているためカーブはゆるやかで見通しもよく、初心者でも走りやすい構造になっています。交通量が少ない時間帯であれば後続車に煽られる心配もほとんどありません。
途中には展望スポットも多く、走ること自体がレジャーになります。料金はやや高めですが「安心料」として割り切る価値は十分にあります。
運転に不安がある方ほど「お金を払ってでも安全を買う」という考え方をぜひ前向きに検討してみてください。

観光バスの後ろを走れ!安心ルートの見つけ方

運転に自信がないときは、「観光バスの後ろを走る」のがもっとも堅実な方法です。バスはあらかじめ安全で走りやすいルートを選定しており、極端に狭い道や急カーブが多いルートは基本的に使いません。
でも「どこに向かうバスか分からないじゃん?」というのはその通り。だからこそ、ここで必要なのは観察力です。
たとえば箱根大涌谷から東京方面に帰るなら、「あ、この日帰りツアーのバスは新宿に戻るっぽいな」といった見立てが役に立ちます。
乗客の雰囲気、現在時刻、バス会社の表示、出発のタイミング ─ それらを見て「このバスなら方向が合いそう」と判断できたら、あとは保険としてナビもセットしてバスに合わせて出発。
観光バスは「ずっとついていく対象」ではなく「安心ペースの参考情報」。正しく使えば、これほど心強いガイドはありません。
まとめ

箱根は観光地である一方で、本格的な山道エリアでもあります。
地形や天候の変化、走行スピードの違い、そしてナビによる誤誘導 ─ 知らないまま運転すると不安や緊張に包まれてしまう場面も少なくありません。
この記事では初心者がつまずきやすいルートや状況を具体的に紹介し、安全に走るための考え方や回避法を整理しました。
いちばん大切なのは「自分の技量とメンタルに合ったルートを選ぶこと」です。早い車がいても焦らず譲る、無理そうな道は選ばない ─ それだけで箱根の道はぐっと走りやすくなります。
怖がる必要はありません。知っているかどうか、それだけの差。この記事があなたの箱根ドライブを安心で楽しいものにするきっかけになれば嬉しいです。
編集後記

この記事を読んでくださっている方は、おそらく運転が得意というわけではなく、山道にもあまり慣れていない方が多いのではないかと思います。近々箱根にドライブへ出かける予定だけど、ちょっと不安がある ─ そんな方を思い浮かべながら書きました。
実は私、若い頃に少しバイクに乗っていた時期があり…(健全なライダーですよ?)、週末にはよく箱根方面へツーリングに出かけていたことがあります。
スピードを出すようなバイクではなかったのですが、それでも走っていれば自然と速く見えることもありますし、走り屋っぽい人たちと道を共有することも多くありました。
なので山道で後続車が後ろにピッタリ付いて焦る気持ちも、逆にゆっくり走る車が道を譲ってくれたときの気持ちも良く分かります。
大半の走り屋は自分のリズムを崩されたくないだけで、無理に煽ってやろうと思っているわけではありません。「譲られた側も」ちゃんとわかってくれます。
自分のペースでゆっくり走って、焦らずに道を譲る。その繰り返しで自然と山道ドライブにも慣れていくはずです。
パニックにならなければ大丈夫。あとは景色を楽しんで、箱根ドライブを満喫してくださいね。
コメント