彼女の推し活が気になって、心がざわつく日が続いていませんか?
「なんかうざい」「正直、冷めたかも」「やめてくれたらいいのに」 ─ そんなふうに感じてしまうのは、あなたが彼女をちゃんと見てる証拠。でもそのモヤモヤ、本当に「嫉妬」だけなんでしょうか?
この記事では「彼女がなぜ推し活に夢中になるのか?」を丁寧にひもときながら、「やめてほしい」と思ってしまう心の奥にある葛藤と、どう付き合っていけばいいのかを探っていきます。
彼女との関係を壊すことなく、自分の気持ちを少しずつ整えていける ─ そんなヒントが、ここにあります。
なぜ彼女は推し活に夢中になるのか
推しは恋愛ではなく「物語」として存在している

彼女が推してる相手に、あなたが「微妙な気分になってしまう」のは当然のこと。でも実際のところ、彼女が夢中になっているのは「推しの人」そのものではありません。
彼女にとっての推し活は「努力や葛藤を経て輝いていく物語」であって、そこに感情を重ねて応援したくなっているだけなんです。
つまり推し活とは、恋愛感情というよりは「誰かを支えたい」「自分も頑張ろう」という気持ちの延長線上にあるもの。
だから、推しと仮にプライベートで会う機会があったとしても、それはちょっと違う ─ そんなケースも珍しくありません。
推し活は恋愛の代わりではなく、自分を前向きに整えるための「サプリメント」みたいなもの。そういうふうに見えてくると、少し気持ちも落ち着いてきませんか?
ここからは、もう少しその背景を深掘りしていきます。
「好き」が共有できる社会になった

かつては誰かを応援していることや、何かにどっぷりハマっていることを人前で話すのは、ちょっと恥ずかしい空気がありました。
「オタク」って言葉が登場した頃、「オタク」に認定されてしまった人は、ほぼ確実にモテませんでした。なので、特に女性はそう見られないよう振る舞っていた人も多かったと思います。
でも今は違います。SNSの登場で「オタ」は個性のひとつとして認知されるようになり、大きな社会ネットワークの中で「同じ個性を持つ人とつながるきっかけ」にもなりました。
学校でも「誰推し?」から話しかければ自然と会話も進み、むしろそこから交友関係が広がっていく時代です。
つまり彼女にとって推し活とは「人とつながれる場所」だったり、自分を好きでいられるための「小さな支え」になってることもあるんです。
男性と女性の構造的な違い

男性よりも女性の方が「推し活をしている割合が多い」というデータもありますが、これはちょっと深掘りが必要です。まず男女の「推し」に対する向き合い方には、傾向の違いがあります。
一般的に男性は「結果」や「所有」で自己を確かめる人が多く、推しもスキルやモノ、勝ち負けに向きがち。
一方で女性は「共感」や「支援」を通じて自分の価値を感じる傾向があるため、誰かを応援することで「心が整う」という構造を持っています。
男性は「手に入れたいモノ」、女性は「支えていたい対象(人)」が推しになる ─ そんな違いもあるはずです。
つまりこういった男女の構造的な違いを理解すると、「女性ばかりが推し活をしている」と決めつけるのは筋違い。
「俺だけを支えろ〜!」っていう男子の声も聞こえてきそうですが、この点についても深掘りしていきます。
彼女に推し活を「やめさせる」ことの意味
実はあなたも「推し活」してるハズ

彼女の推しが「人」であることにモヤモヤする気持ち、すごくよくわかります。でもちょっとだけ考えてみてほしいんです。あなたにも「これが好き」と胸を張って言えるもの、ありませんか?
車やゲーム、ラーメン、筋トレ、アニメやフィギュア収集。対象は違っても、それって全部「推し活」って言えませんかね?
男性は基本的に「勝ちたい」「手に入れたい」と考える傾向があるので、推すものが「モノやスキル」になることが多い。逆に女性は「支えたい」「共感したい」という気持ちから、人を推すことが多いだけ。
実はどちらも「理想の世界」に心を置いて、日々のストレスと上手に距離を取ろうとしているんです。
そう考えてみると、推し活って意外とフェアで、誰にとっても「心のメンテナンス」。サプリメントみたいなものだと思えてきませんか?
「やめさせる」なら自分の趣味も手放す覚悟で

「その推し活、やめてよ」と、彼女に言いたくなる気持ちはわかります。でもそのひと言は、彼女にとって趣味を一方的に取り上げられるのと同じこと。
彼女にとって推しは「心のバランスを保つための支え」になっている可能性が高く、そう簡単には手放せません。
それでも本気で「やめてほしい」と願うなら、自分も同じくらいの覚悟を示す必要があります。例えば、全力で収集してきた自慢のフィギュアコレクションを燃えるゴミに出せるのか?
彼女が心のバランスを保てなくなった時、どんなに忙しくても深夜でも大雨でも、すぐに駆けつけて優しくサポートできるのか?
彼女との関係を一方的にコントロールしようとすれば、間違いなく信頼を失います。つまり彼女に「推し活をやめさせたい」なら、フェアな関係で交渉しなければダメということです。
やめるかよりも「推しの用法・容量」を整える

彼女の推し活に悩んだとき、大切なのはその「用法・容量」です。彼女の推し対象が「人」だから混乱しがちですが、それは「人ではなくサプリ」だと思って考えてみてください。
そのサプリが問題になるのは、生活や交際に支障が出はじめた場合。たとえば毎月のサプリ代が増えすぎたり、サプリを飲む時間を優先しすぎて一緒に過ごす時間が激減したり。
そんな影響が出てきたら、やめる・許すの二択ではなく「どれくらい飲むか?」という視点で考えるハズ。
お金の使い方や優先順位、週末の過ごし方など、推し活の「用法・容量」を見直すだけでも二人の関係は大きく変わってきます。
彼女の「好き」を尊重しつつ、自分の気持ちも無理なく保てる距離感を探ること。大切なのは否定ではなく調整 ─ 二人の間にフェアなバランスがあるかどうかが重要です。
さいごに:自分の胸に手を当てて考えてみよう

ここまで読んでも「なんかまだ引っかかるんだよな…」と思ってるあなた。だって彼氏以外の男を応援するって、やっぱおかしくね?
まあ、彼女があなた以外の「人」を推すというのが、どうしても気になってしまう ─ その気持ちはとても自然なものです。
でも、ふと立ち止まって考えてみてください。あなたが「夜な夜な眺めてお世話になっている映像」や「手が届かない理想に浸っている時間」も、実は彼女の推し活と構造はまったく同じ。
どちらも現実を直接変えるためではなく、心のバランスを保つための補助輪です。現実では叶わないからこそ、あえて距離を置いた存在に安心して夢を託せる。
推し活も趣味も、現実を生き抜くための「酸素ボンベ」みたいなもの。自分にも相手にも、それを持たせてあげられる人でいてください。





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