福岡空港のラーメン滑走路から飛び立つ罠:上空3万フィートでも臭い豚骨のかほり

福岡空港のラーメン滑走路から飛び立つ罠:上空3万フィートでも臭い豚骨のかほり 沼NEWS

福岡空港から飛行機に乗ったら、機内でなぜか豚骨の匂いする ─ そんな経験をした人に向けた記事です。福岡空港は、なぜあんなに強烈な匂いがするのか?なぜ空港の一部だけが臭いのか?

この記事では博多の豚骨ラーメンが「臭い」と言われる理由から、福岡空港の「とんこつに対する本音」までを掘り下げます。

読み終えるころには、あなたが感じた「なんでこんなに臭いの?」という疑問がスッキリ解決して、空港側の対策まで含めて理解できるはずです。

さらに、上空で豚骨臭から身を守る「唯一の方法」まで紹介します。

 

博多の豚骨ラーメンが「臭い」と言われる理由

博多の豚骨ラーメンが「臭い」と言われる理由

博多の豚骨ラーメンが「臭い」と言われるのは、その匂いの正体が「骨そのもの」だから。

博多の豚骨ラーメンは豚の頭や骨膜、脂を強火で長時間炊くことで、骨のたんぱく質が焦げたような濃い匂いが出てきます。煮込むほど旨味は増えますが、同時に獣っぽい香りも強くなっていく。

でもこの匂い、博多ではむしろ「本物の証」として受け入れられてきました。

一方、私たちがよく見る豚骨ラーメンは、スープを工場で仕込んで店では温めるだけというスタイルが多いため、あの獣臭は立ちません。

店舗でスープを仕込んだ場合、当然手間もかかりますが、あの獣臭によって近隣からクレームが入ってしまう。

つまり「あの臭い」を好んだ博多だからこそ、本物の豚骨ラーメン店がひしめき合っているわけです。

 

博多っ子が「臭いラーメン」を愛してやまないワケ

博多の人たちにとって豚骨ラーメンは、もはや「血液」のようなもの。福岡出身の友人も「自分の体の7割は豚骨スープでできてて、残りの3割はぜい肉かな」なんて、ちょっと誇らしげに言ってました。

そんな博多豚骨ラーメンのルーツは、戦後の屋台文化から。まだ食べ物が乏しかった時代に、安くて栄養のある「豚の骨」でスープをとって、それを全身で吸収してきたのが博多っ子。

あの独特な香りも、地元では「癒される香り」や「帰ってきた感じ」として、アロマフレグランスみたいに受け止められています。

私の友人も「臭ければ臭いほど旨い」などと得意気に語ってきますが、あの香りこそが「博多の魂」だと信じてるようです。私は正直、ちょっと苦手なんですけどね。

でも博多の人たちには「深い豚骨愛」が根づいています。

 

ラーメン滑走路の構造がつくった「豚骨の袋小路」

ラーメン滑走路の構造がつくった「豚骨の袋小路」

さて、福岡空港で「臭い」と話題になるのは、国内線ターミナル3階の「ラーメン滑走路」と呼ばれる一角です。

ここは豚骨ラーメンの人気店が集まる名物エリアですが、10軒ほどの店舗がレストランフロアのメイン通路から横にそれた細い通路沿いに並んでいるため、その空間だけ明らかに空気が違います。

実際、ラーメン滑走路の入り口を一歩くぐると空気が一気に変わり、その一帯だけに獣臭が密集している感覚があります。

豚骨の香りがその一角に集中しやすいぶん、匂いの密度も高くなっているのかもしれません。名店が集まっていることは魅力ですが、この匂いが得意じゃない人にはハードルが高め。

お店を覗くこともできずに顔をしかめて、そっと去っていく人の姿も見かけたほどです。

 

福岡空港は「豚骨臭」をめちゃくちゃ気にしてる

福岡空港は「豚骨臭」をめちゃくちゃ気にしてる

そんな「豚骨ラーメン推し」な福岡空港ですが、実はかなり「豚骨エチケット」にも気を配っているようです。

まず国内線ターミナルで豚骨ラーメンが食べられるのは「ラーメン滑走路の10軒」に限られていて(本記事執筆時点)、それ以外の飲食店エリアには出店していません。

しかもこの「ラーメン滑走路」は3階レストランフロアの端っこであり、空港業務の動線からは大きく離れています。

そして国際線ターミナルには豚骨ラーメン店が1軒だけ出店していますが、ここは「豚骨特有の臭みがない」ことで知られるお店。

さらに保安検査後の搭乗エリアには、国内・国際線ともに豚骨ラーメンのお店はゼロ。つまり豚骨ラーメンは推すけど、香りは外に出さない。

そんな「福岡空港の豚骨エチケット」が、その構造から見えてきます。

 

上空の「豚骨地獄」を切り抜けるただ一つの方法

上空の「豚骨地獄」を切り抜けるただ一つの方法

空港で豚骨ラーメンを食べた乗客が、そのまま飛行機に乗り込むことはよくあります。でも上空3万フィートという密閉された乾燥空間では、残り香が逃げ場を失って漂い続けることに…。

特にニンニク入りの濃厚な一杯を食べた直後なら、本人は気づかなくても周囲は確実に地獄。

ただでさえ隣の客との距離が近いのに、「胃の中のニンニクも保安検査の対象にしろよ!」って心の中で叫んでも、目的地まで「地獄のフライト」を続けるしかありません。

でもそんな中で唯一現実的なのが「CAさんにコーヒーをもらう」こと。コーヒーの香りは動物性の脂やたんぱく質由来の匂いを中和する効果があるとされます。

コンビニでもコーヒーを売り始めてから、あの「嫌〜な匂い」がしなくなったと思いませんか?

豚骨の街・福岡を飛び立つ機内で、あなたを救ってくれる最後の希望。ホットコーヒーなら、ワンチャンあるかもしれません。

※本記事には、現地観察や地形をもとにした筆者の考察を一部含みます。

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