文系大学でやめたほうがいい学部は?:進路選びと進学前に知るべき現実

文系大学でやめたほうがいい学部は? 沼NEWS

文系学部を志望している高校生の中には、「なんとなく興味があるけど将来これで大丈夫なのか…」と不安を感じている人も多いはずです。

この記事では文系学部の中でも「やめたほうがいい」と言われる理由を具体的に整理しながら、実際の就職や社会での活かし方に直結する視点をお伝えします。

曖昧な学びが多いと言われる文系ですが、選び方と心構え次第でその後の人生は大きく変わります。この記事を読むことで、自分に合った進路を選ぶための「確かな判断軸」が見えてくるはずです。

 

やめたほうがいい文系学部は?

文学部は「受け身型」になりやすい

文学部の学びは基本的に「完成されたものをどう受け取るか」という構造で成り立っています。

すでに書かれた作品をどう読むか、どう感じるか、どう解釈するか ─ つまり自分がアウトプットするための学問ではなく、どうインプットするか?が中心の学問といえます。

理系や実学系に比べ「何かを設計し形にする」という要素が乏しいため、思考の癖として「受け身」が定着しやすいのが特徴です。

さらに文学部に所属する学生も「本を読む」「映画を観る」「音楽を聴く」「旅行に行く」といった「受け取ることが中心の趣味」を持つ人が多く、環境としても主体性を育みにくい空気が広がっています。

こうした環境で4年間を過ごすと自分で行動を設計したり、発想して何かを生み出す思考回路を持たないまま社会に出るリスクも。

文学部を選ぶなら、自分の中に「作り手としての視点」を持てるかが大きな鍵になります。

心理・教育系は資格がなければ厳しい

心理・教育系は資格がなければ厳しい

心理学部や教育学部は、進学時点では人気のある選択肢です。特に「人の心を知りたい」「子どもと関わる仕事がしたい」といった動機で志望する人は多いでしょう。

ただしこれらの学部は「資格取得」を前提とした道を選ばない限り、極端に就職の選択肢が狭まります。

心理学を学んでも臨床心理士などの専門職に就くには大学院進学が必要で、学部卒では専門性を活かしづらい。

一方で教育学部も教員免許の取得と教員採用試験という高いハードルがあり、それを乗り越えなければ学んだ知識を直接活かす場はほぼありません。

つまり資格を取る覚悟と実行力がなければ、心理・教育系の学部は「つぶしが効かない」リスクを抱えてしまいます。

国際・総合系は中身が伝わりづらい

国際・総合系は中身が伝わりづらい

国際関係学部、総合政策学部、現代人間学部 ─ 名前の響きは確かに先進的でかっこいい。

実際「グローバル」「多文化共生」「SDGs」といったテーマは、現代社会では好感度の高いキーワードとして扱われがちです。

しかしそれらの言葉は企業にとって「イメージアップのための装飾」であり、実際にそれで利益を上げている職種はごく一部に限られています。

ほとんどの社員は、広告にも出ない「地味な仕事」で会社を支えているのが現実です。

つまりそうした「きれいな言葉」を学んだからといって、それがそのまま就職に結びつくわけではありません。

むしろ「何を学んだのかが伝わりづらい」「中身が見えない」と思われ、不利に働くことさえあります。

名前に惹かれて選ぶ前に、その学部で何が学べるのか?自分はそれをどう活かせるのか? ─ しっかり確認しておく必要があります。

表では理想論を掲げながら裏では現実が泥まみれ ─ そんな構造は「大阪・関西万博2025」のあり方にも通じるものがあります。興味がある方はこちらの記事もあわせてどうぞ。

大阪万博2025はなぜ中止が決定できない?:「やめられない理由」を徹底解説
大阪・関西万博はなぜ中止されないのか?現地体験から見えた“止まらない理由”とは。

 

後悔しやすい学部の選び方とは?

経済・商学部は「将来性の読み違え」が命取りになる

経済学部や商学部は「就職に強そう」「汎用性が高い」といったイメージで選ばれがちですが、いまの時代その「広さ」がむしろ逆風になることも。

そもそも「経済って何?」と聞かれて明確に答えられる学生は少なく、「経済を学びました」と言っても専門性が伝わらないのが現実です。

実際に経済学を本格的に理解しようと思ったら上には上がいる世界で、大学で数年学んだだけでは専門家とは見なされません。

結果として就職先としては「営業職」「販売職」などに落ち着きがちですが、そもそも日本経済全体が低調な今、文系採用自体が減少傾向。

また商学部も経営やマーケティングの知識が社会経験とセットになって初めて活きる分野。

一度社会に出てから学ぶ方がしっくりくる場合も多く、「とりあえず」で進学するのはちょっと早すぎるかもしれません。

法学部は「資格職でも夢がない」現実を直視すべき

法学部は「資格職でも夢がない」現実を直視すべき

法学部は一見「手堅い選択」に見えますが、現実はそう甘くありません。

弁護士や司法書士などの資格職を目指す場合、司法試験は合格率が極めて低く、大学卒業後も数年間の受験生活を覚悟する必要があります。

さらに問題なのは、仮に弁護士になれたとしても思い描いていたような「華やかな法廷ドラマの世界」にはほぼ辿り着けないということ。

実際に待っているのは「離婚調停や遺産相続などの事務処理案件」が大半で、企業法務や刑事弁護といった「花形業務」はごく一部のエリートしか任されません。

しかも弁護士の数自体がすでに飽和気味で、資格を取っても仕事に困る人は珍しくないのが現実です。

資格職という幻想だけで法学部を選ぶのは危険です。覚悟と明確なビジョンがなければ、「自分は一体何のためにここに来たんだ?」という虚無感だけが残るかもしれません。

外国語学部は語学だけでは不十分

外国語学部は語学だけでは不十分

外国語が好きという理由で外国語学部を選ぶ学生は多いですが、「語学ができれば就職に有利」というのは今の時代には通用しづらくなっています。

そもそも日本語同士で話していても、仕事では誤解やすれ違いが頻繁に起こります。それが外国語ならなおさら。

つまりいくら言葉が話せても、その先の「意思疎通」が正確にできなければビジネスでは大きなトラブルになりかねません。

そのため大企業では社員の語学力だけに頼らず専門の通訳をつけるのが一般的。つまり語学力は仕事の武器として使える場面が限られているのです。

語学を学ぶこと自体は価値がありますが、それを使ってどんな力を身につけたいのか、どんな仕事につなげたいのかまで考えておかないと「ただ話せるだけの人」で終わってしまいます。

 

文系で後悔しない選び方をするには

大学は「1回きり」じゃなくてもいい

大学選びって、まるで「一発勝負」のように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。人生は長く学び直しが当たり前の時代。

もし最初の大学・学部選びが上手くいかなかったとしても、社会に出てからまた学び直せばいいのです。むしろ20歳前後で「自分のすべて」を決めるなんて、少し無理があるとも言えます。

文系は特に応用範囲が広く、社会に出てから自分の強みや課題に気づくことも多い。だからこそ大学は「最終決定の場」ではなく、「出発点のひとつ」と考えた方がいいかもしれません。

肩の力を抜いていまの興味や価値観に正直になって選べば、それが一番納得のいく道につながるはずです。

大学名や偏差値で選ぶ時代は終わった

大学名や偏差値で選ぶ時代は終わった

とりあえず有名な大学に行けばいい ─ そう考えていませんか?でも今の時代、大学名にこだわる意味は以前ほどありません。

たとえば国内で名の知れた早稲田や慶應ですら、海外ではほとんど知られていないのが現実。となればどこの大学に入るかより、大学で何を学び、どんな経験を積むかの方がよほど重要です。

さらに会社に入っても定年まで勤める人は少数派。どうせ転職するなら「最初の大学のブランド名」よりも「自分が何を語れるか」の方がはるかに価値を持ちます。

だったら最初から「名前」ではなく「中身」で選ぶべき。

社会に出てもう一度学び直す時代だからこそ、大学は一発勝負ではなく「スタート地点のひとつ」くらいの気持ちで選ぶのが、今の時代の賢いやり方です。

就活で本当に見られるのは人間性

就活で本当に見られるのは人間性

就職活動で重視されるのは、学部名や偏差値ではありません。実際の面接の場で問われるのは「この人と一緒に働きたいと思えるか?」という「人としての魅力」です。

もちろん学部での学びやスキルが武器になることもありますが、結局のところ採用の決め手になるのはその人の人柄や姿勢、そして「この子は会社に馴染んでくれそうだな」という安心感です。

学歴がすべてだった時代は終わりました。今は自分の経験をどう活かし、どう伝えるかが問われる時代です。だからこそ「どこに入ったか」よりも「大学生活をどう使うか」を考えてください。

文系でも理系でも「人間性で勝負できる人」が最終的には評価されます。

 

まとめ

文系大学でやめたほうがいい学部は?:進路選びと進学前に知るべき現実

文系の学部選びは理系ほど職業と直結しないぶん、不安も多いものです。

特に「やめたほうがいい学部ってあるの?」という問いにたどり着く人は、きっと後悔のない進学をしたいという真剣な思いを持っているはず。

今回ご紹介したように、たしかに「選び方を間違えると苦労する学部」は存在しますが、それ以上に大切なのは自分が大学時代にどう過ごし、どんな人間として成長していくかという点です。

学部はあくまで「きっかけ」にすぎません。どんな場所にいても自分で問いを持ち、学び続け、伝える力を身につけることができれば文系でもしっかり社会で評価される人材になれます。

だからこそ今このタイミングで「どんな学び方をしたいか」を考えることが、将来の自分をつくる第一歩になるはずです。

編集後記

編集後記

実は私は文系人間に囲まれて生活してきた人間です。両親はそろって文系の文学部出身。私の奥さんもまた文学部出身。で、私だけが理系。そんな環境で育ったからこそ、ずっと文系 ─ 特に文学部に対して内心で引っかかるものがありました。

正直言ってしまうと「大学で本読むだけの学部って何なの?」って思ってました。だって本なんて自宅で読めばいい話です。 理系の私だって本は読むし、歴史だって…(すみません)

特にうちの両親はちょうど学生運動が落ち着いた頃に大学へ入学した世代。まともに勉強した形跡もなく、話を聞いてもバイトとサークル活動の思い出ばかりで、私は「大学ってのは遊ぶところだ」みたいな空気を子供の頃から刷り込まれてきたんです。

でもそんな私が、今こうして一緒に暮らしている奥さんも文学部出身。しかも彼女は文系なのに理系企業に就職し、社会の中でしっかりとキャリアを築いています。

本人曰く「大学で学んだことは1ミリも”仕事”には役立っていない」とのこと(笑)。大事なところなのでもう一度言いますね、「仕事には」です。

でも、それでも自分が選んだ道で真剣に学び抜いたことが今の自分を作っていると。 ─ その姿を私は誰よりも近くで見てきました。

結局は大学で何を学んだかより、そこでどう生きたかのほうが重要です。文系だろうが理系だろうが、どの学部に行っても社会で役に立つとは限らない。(私は理系学部卒ですが1ミリも役に立ってない…)

でもどうせなら、「自分の心が動く場所で誠実に学び続ける」こと。その姿勢こそがどんな社会でも通用する人間性につながっていくと、私は今ではそう信じています。

 

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