「琵琶湖って、もしかして香川県より大きいの?」 ─ そんな疑問を抱いたあなたに向けてこの記事を書きました。地図ではやたらデカく感じる琵琶湖と、なぜか比較対象としてよく名前が挙がる香川県。
実際にどちらが広いのか、数字と視点を変えて比べてみたうえで「淡路島ぶっ飛び説」などの都市伝説にも踏み込みつつ、琵琶湖のスケール感を深掘りしていきます。
最後には「琵琶湖を水田にして香川県を米で救えるのか?」という空想プランまで検証。真面目と遊び心を行き来しながら、地形に隠れた「沼」の魅力を一緒に探っていきましょう。
読めばきっと、地図の見え方が変わってきます。
琵琶湖と香川県はどっちが大きい?
面積で見ると香川県の圧勝


琵琶湖の面積は約670㎢。一方で香川県の面積は約1,877㎢ ─ 数値だけ見れば香川県のほうが大きいのは確かです。
しかし注目すべきは「可住地面積」。山地の多い香川県では、人が住み生活に活用できる土地は限られています。
一方で琵琶湖はそのまま貯水・農業・観光など多用途でフル稼働しており、機能面では「香川県の大半」にも匹敵する価値を生み出しています。
さらに印象の差も大きい。地図で見たとき、近畿地方に大きく広がる琵琶の形をした湖面は「圧倒的な存在感」を放つため、感覚的に「香川県より大きい」と捉えられてしまうのも納得できます。
つまり「どちらが大きいか」という問いには、「どの観点で見るか」によって答えが変わってくるといえます。
なぜ琵琶湖はこんなにデカくなった?

琵琶湖はおよそ400万年前に誕生した、日本で最も古い湖のひとつです。最初はもっと小さな湖でしたが、地殻変動や断層活動によって湖底が少しずつ沈み込み、徐々に現在の形に近づいてきました。
特に琵琶湖西縁断層帯など、周辺には沈降を引き起こす断層が多く存在しています。さらに水系にも特徴があります。
琵琶湖には460本もの河川が流れ込んでいるのに対し、流れ出る川はたった1本「瀬田川」しかありません。そのため流れ込む水は豊富なのに出ていく量が限られており、水が滞留しやすくなっています。
つまり琵琶湖は「沈み続ける地形」と「水がたまり続ける構造」の両方を持っているため、自然と巨大化していく条件が揃っているわけです。
琵琶湖は今後も大きくなり続けるのか?

理論上、琵琶湖はこれからも「じわじわと」大きくなり続ける可能性があります。
湖西断層帯など周辺の活断層はいまも活動を続けており、地盤沈降によって地形がさらにへこんでいく兆しもあるためです。
実際に400万年かけて現在の670km²に成長したことを考えると、1年あたり約167㎡(小学校の教室程度)ずつ拡大してきた計算になります。
仮にこのペースが今後も続いた場合 ─ あと約720万年で香川県(1,877km²)を超え、約2,000万年後には滋賀県全域(約4,000km²)を飲み込む規模になるという、ロマンでしかないアホ計算も成り立ちます。
もちろんこれは地質変動の平均化による超テキトーな仮説であり、実際には一定のペースで広がっているわけではありません。
淡路島は琵琶湖からぶっ飛んできた説
ぶっ飛び説はどこから来たのか

「淡路島は琵琶湖からぶっ飛んできた説」は完全な創作 ─ にもかかわらず…妙に信じたくなる不思議な説です。その発端は地図を見比べたときの「形の一致」と、琵琶湖の成り立ちにあります。
もともと琵琶湖周辺は活断層が集中するエリアで、大規模な地殻変動があった痕跡も残っています。
さらに淡路島の誕生もまたプレート活動の影響で地盤が隆起して形成されたとされるため、「もしかしてここが飛んだのでは?」という都市伝説が語られるようになりました。
もちろん科学的にはまったくのこじつけですが、何もないところに突然島が現れるというロマン、そしてそれを「あの琵琶湖の土が旅して落ちた」と想像する面白さ。
地形に興味を持つきっかけという意味では、こうした説も決して悪くはないと感じます。
地形から見える淡路島との関係

琵琶湖と淡路島の輪郭を比べてみると、どこか「似ている」と感じる人が多いのも事実です。
とくに北部〜中部のフォルムは縦長で丸みのある形が共通しており、航空写真で見比べると「双子」のように見えなくもありません。
ここで注目すべきは面積の差です。琵琶湖は約670km²、淡路島は約593km²と、淡路島のほうが約77km²ほど小さいということ。
つまり「現在の琵琶湖付近から土がぶっ飛んで淡路島になった」と想像しても、面積だけを見れば理屈の上では成立してしまうのです。
もし淡路島のほうが大きければこの説は即座に破綻しますが、実際に琵琶湖のほうが大きい。この「わずかな面積差」が、都市伝説に不思議な説得力を与えてしまいます。(周囲の水深などは無視してます)
天王山と六甲山に残る「ぶっ飛び説」の軌跡

では仮に「現琵琶湖付近から淡路島がぶっ飛んだ」としたら ─ その途中に約77km²分の「土のかけら」が落ちていてもおかしくありません。
地図を見れば、琵琶湖と淡路島を直線で結んだそのルート上には「京都府の天王山」や「兵庫県の六甲山」といった象徴的な山々が並んでいます。
科学的にはこれらの山々が断層運動や地殻変動によって別々に形成されたことがわかっていますが、想像の翼を広げると「ぶっ飛び中にボタボタ落ちた名残かも…?」と思えてしまうのが不思議です。
特に六甲山は隆起の歴史が浅く淡路島の成立時期と地質的にかぶる部分もあるため、あながち完全に無関係とも言いきれない面白さがあります。
山並みに残された「何か」を見つけに行く沼歩きも、悪くない冒険になるかもしれません。
琵琶湖を埋めて水田にしたら香川は救える?
香川県民が米よりうどんを選んだ理由

香川県といえば「うどん県」として知られていますが、実はその背景には米の収穫量の少なさが関係しています。
気候的に雨が少なく「ため池」の多さが示す通り水資源に乏しいため、稲作に適した土地とは言えません。その代替として比較的少ない水でも栽培できる小麦が重宝され、うどん文化が根づきました。
また「讃岐うどん」が県民のソウルフードとして定着するにつれて安価・時短・習慣といった要素も相まって、「うどんが主食」という文化が自然に浸透していきました。
つまり香川県民が当初から積極的にうどんを選んだのではなく、歴史的には「選ばざるを得なかった」というのが実情に近いのかもしれません。
そう考えると「米」を十分に確保できる手段があるのなら、それを選ばない理由もないという見方もできるでしょう。
琵琶湖を全部水田にしたら米はどれだけ採れる?

琵琶湖の面積は約670㎢。これを仮にすべて水田に変えたと仮定すると、かなり広大な稲作地帯となります。
標準的な水田の収量を反映して「1haあたり540kgの玄米」が採れるとすると、琵琶湖全体からは年間約36万トンの米が収穫できる計算になります。これは香川県の年間消費量(約6万トン)の約6倍。
つまり琵琶湖を全て水田にすれば香川を6県分養えるほどの食糧基地ができるということです。
ただし当然、水源としての琵琶湖が消失することで近畿圏の水道・生態系に壊滅的な影響が出るため、現実的には話にならない構想です。
これはあくまでも「机上の暴論」であって、どこまでいってもフィクション。でもここまで読んだなら、あともう少しだけお付き合いください。
琵琶湖を17%だけ水田にする「現実案」とは

琵琶湖をすべて水田に変えるなんて現実離れした話ですが、「一部だけなら?」という妄想は残ります。
香川県の年間米消費量(約6万トン:人口ベース)をまかなうには琵琶湖の面積のうち約17%、およそ114㎢を水田にすれば足りる計算になります。
もちろん、琵琶湖はラムサール条約にも登録された国の重要な自然資源。その一部ですら埋め立てるのは極めて困難です。
とはいえ、この記事の出発点は「琵琶湖は香川県より大きいのか?」という素朴な疑問でした。
面積勝負ではあっさり敗北してしまった琵琶湖が、香川県に一矢報いる策は何かないか ─ そんな気持ちから生まれたのがこの「米で逆転案」。
実現性はゼロに等しいけれど、せめて香川県の食卓を支えるくらいの存在になれたら…、琵琶湖もちょっとだけ誇らしげに見える気がするのです。
まとめ

この記事では琵琶湖と香川県のサイズ比較から始まり、淡路島ぶっ飛び説、そして琵琶湖を水田にするという壮大な構想まで、いささか脱線も交えながら真面目に(?)検証してきました。
どれも突飛なように見えて、実はそれぞれの背景には確かな地形や歴史、文化的な文脈があったりします。
「琵琶湖ってそんなに大きいの?」─ そう思った読者の方にとって、今回の記事がちょっとした学びや驚き、そしてクスッと笑えるネタになっていたら嬉しいです。
結論として、琵琶湖は確かにデカい。でもそれだけで終わらせるのはもったいない。「地形にツッコミを入れる」という視点から見れば、日本列島にはまだまだ語られていない物語がたくさん眠っています。
次に地図を眺めるときは淡路島と琵琶湖の位置関係や、香川県の面積に思いを馳せながら「もしここがこうだったら…」と妄想してみてください。地形は空想の材料にもなり得る立派なエンタメですから。
編集後記

は今回は「琵琶湖は香川県より大きいのか?」というテーマで、あちこち脱線しながら記事を書いてみました。
琵琶湖と淡路島の輪郭がそっくりだったり、Googleマップで見ると「香川県より大きく見える」なんていう錯覚があったりして。
そこから真面目に面積を比較したら実は香川県のほうが約6倍も広いと ─ でもそれが感覚的にどうしても納得できないんですよね。おそらくこれは地図の見え方や琵琶湖の「密度感」による錯覚だと思うのですが、正直なところ私もまだスッキリしていません。
記事の中では「香川県のうどん文化」にも触れましたが、私の周りにも香川県民がいて、週7でうどんを食べてるというリアルな話も聞きます。とはいえ、これは「うどんを選んだ」のではなく「米を選べなかった」歴史の積み重ねなのではないかと感じるんです。香川は水が少なくて稲作に向かない土地。
だからこそ小麦という代替作物から生まれたうどん文化が、地域の誇りになっていった。
一方で琵琶湖を「ちょっとだけ」水田にすれば、その米で香川県を養えるかもしれないという構想も記事に盛り込みました。もちろん現実的には難しいですが、こうして地形や文化の差をつなげて想像を広げるのが、私なりの「地理遊び」の楽しみ方です。
琵琶湖とうどん。全然関係なさそうに見えて、つながる糸がある ─ そう思ってもらえたら嬉しいです。
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