渋滞と梨で有名な街、船橋。
いつ行っても渋滞する…。いつまで経っても抜けられない…。一体なんでこんなに混むのか分からない…。そんなモヤモヤを感じたこと、ありませんか?
このエリアを車で通った人の多くが「船橋名物は渋滞」という印象を持つのは、ちゃんと理由があります。
本記事では地形・道路・鉄道・街の作りなどの観点から、「なぜ船橋は渋滞するのか?」をスッキリ解き明かします。
地元民はもちろん、通過するだけの人も知っておきたい「船橋の落とし穴」。その全貌を、船橋の地形から見ていきます。
船橋は「東京と千葉が交わる分岐点」


船橋市は千葉県の西端近くに位置する、県内2位の人口(約65万人)を誇る大都市です。古くから街が発達し、大型商業施設やオフィス、住宅地が密集する「れっきとした目的地の街」。
一方で、東京から千葉・成田・房総方面へ向かう交通の多くがこの船橋を通過する必要があるため、「通過交通の量が非常に多い」というのが現実です。
船橋の名は、「川に船を並べて橋のようにして渡った」という伝承が由来なんだとか。もともと人や物の通り道として、栄えてきたことが想像できます。
つまり船橋は「行き先として訪れる人」と「ただ通り抜けたい人」、また「そこで生活している人」の移動をすべて抱え込んでいる街。しかもその規模が県内トップクラスにデカい。
これだけの人と車が集まれば、「混まない方が不思議」と言えるかもしれません。
船橋は横移動が苦手な「くびれ地形」


そんな船橋を地図で見てみましょう。東京から船橋を通って千葉まで向かう場合、船橋は「ボンッ!キュッ!ボンッ!」の「キュッ!」に位置することがわかると思います。
では古地図も見てみましょう。現在の国道14号線はかなり海岸線ギリギリ、京葉道路と東関東自動車道、国道357号線はほぼ海の中です。
船橋駅の北側には、天沼弁財天の「沼」がマルッと存在していて、さらにその北側には船橋市立船橋中学校がある「夏見の台地」が岬のように迫り出しています。
船橋駅の南側はすでに民家や商店が密集しているように見えるので、新たに街道を作る場合、この台地と沼の間、「230m程度の幅しかなかった」ということ。
つまり船橋は「驚異的にウエストが細い街」なんです。そんな体型で大食いしたら、そりゃあ渋滞するに決まってます。
船橋はグニャグニャ線路の「宿場町」


船橋の渋滞は、鉄道の通し方も深く関係しています。
もともと国鉄(現・JR)総武線がまっすぐ通るルートで開通した後、京成電鉄や東武野田線(現・アーバンパークライン)などは空きスペースを縫うように路線を敷かざるを得ませんでした。
実際、京成船橋駅は当初、船橋駅の北側に建設する予定でしたが、当時は街の中心が船橋駅の南口だったため、住民の意見を反映して南口に建設されました。
でも南口はすでに民家や商店の密集地帯。街をまっすぐ横断するような線路は引けず、さらに住民の意見を反映して、グニャグニャと街を避けるように津田沼方面へ線路を延ばすことになりました。
街は線路の形に合わせて交通インフラを整備していきますが、この「グニャ判断」、自動車の時代にとっては「影を落とす結果となった」と言えるかもしれません。
船橋が渋滞世界一という「噂の真相」

「船橋の渋滞って世界一じゃね?」って思ってしまうほど、いつ行っても「安定してハメてくれる」のが船橋の渋滞。
でも世界的に見て、渋滞が深刻なのはジャカルタやメキシコシティ、東京の都心部などで、船橋が「世界一」なわけじゃありません。
国内でも熊本市や鹿児島市のように「著名な渋滞都市」は他に存在し、船橋市は全然格下。(参考サイト)
でも…、東関道を走る場合、船橋市内の区間はたったの約3.5km。実は船橋市、海岸線が超短いんです。
なのでその渋滞、近隣の浦安・市川・習志野・鎌ヶ谷でハマってる可能性はありませんか?っていうか、船橋が渋滞している時は、近隣もほぼ渋滞してます。
つまり「船橋の渋滞」とは、「あの辺り一帯の渋滞」を指すわけで、「船橋市」単体のことではない。そう考えると、「船橋の渋滞」、ワンチャン世界一もあるかもしれません。







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